LCEP 一般社団法人 低炭素エネルギー技術事業組合

ご挨拶

 2013年に公表されたIPCC第5次評価報告書によれば、気候システムの温暖化には疑う余地がなく、二酸化炭素等の温室効果ガスは、過去80万年で前例のない水準にまで増加しています。自然生態系や人類の生存に悪影響を及ぼさない水準で温室効果ガス濃度を安定化させ、温暖化と気候変動を抑制するためには、温室効果ガスの排出量を大幅に、かつ持続的に削減していくことが必須となっています。

 最大の排出源が化石燃料の燃焼である以上、温暖化対策はすなわちエネルギー対策でもあります。わが国は過去、二度にわたる石油危機を乗り越え、世界に誇る省エネルギー技術を経済活動の中心に据えて活用し、磨き上げてきた歴史を有しています。今、この優れた省エネルギー技術は、単なる温暖化対策の要素としてのみならず、それを用いる事業において最適な組合せで活用することにより、一層の価値を社会にもたらす力を有しています。

 2011年、東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故により、わが国は経済活動の基盤となるエネルギーのあり方、さらには社会のあり方そのものを問い直す岐路に直面しています。国際的にも、リーマンショックによる世界経済の混乱と低迷、タイの大洪水、シェール革命等、エネルギーと経済活動の根幹を世界規模で揺るがす事態が続き、国際社会がまさに一蓮托生であることが改めて認識されています。世界経済も地球の気候システムも、すべてがつながる中に迫る危機である温暖化を防ぎ、新たな社会の方向性を示す鍵のひとつとなるものが「低炭素社会」です。

 持続可能な低炭素社会は、あるべき社会の姿を具体的に描き、これを実現化するための個別事業を着実かつ継続的に実施することでのみ構築することができます。こうした事業には、対象地域の立地やニーズ、さらに途上国においては現地の技術や人材等の実情を踏まえ、多様な技術を横断的に組み合わせ、再生可能エネルギーや省エネルギーの技術を最もふさわしい形で適用する効率的な運営が求められます。ここに、地球温暖化対策の継続的推進に必要な、経済的動機が生み出されています。

 わが国の温室効果ガス排出量は、世界全体の約5%です。しかし、わが国の経済活動は世界各地に波及しており、前述のように多くの意味で世界各地とつながっています。こうした中でわが国は、歴史的に蓄積され鍛えられた省エネルギー技術を活用し、低炭素社会という新たな仕組みと価値を生み出し、国内は元より国際社会において、信頼性の高い低炭素エネルギー技術を駆動力とした潮流を生み出す中核としての役割を果たす能力と使命を有するものと確信しています。

 こうした認識の下、低炭素社会を実現するエネルギー技術を普及する事業を行うことで、全国各地及び世界各国の取組を促進し、もって地域の活性化を図り豊かな社会を創出するとともに、得られた知見により、世界の地球温暖化・気候変動対策に貢献する事を目的に、一般社団法人 低炭素エネルギー技術事業組合を設立することにいたしました。

平成27年2月吉日
代表理事 俣野 実